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8月に入り気温は暑く,集中して作業に取り組むことが難しい時期がやってきました。そこで今回はシカゴ大学で心理学の准教授を務め,さらに環境と脳の働きの関係性を研究するマーク・バーマン博士とヒューバーマン博士の対談を参考に自然によって集中力を上げる方法を解説したいと思います。
参考にした動画はこちら↓
注意力(集中力)について
注意力は全ての行動の制御に関わっています。注意力が衰えると衝動的なコントロールができなくなったり攻撃的になったりします。
2種類の注意
内発的注意(トップダウン注意)
ここから2種類の注意について紹介します,1つ目は内発的注意です,脳科学ではトップダウン注意とも言われ,簡単にいうとやりたくないことなどに対して集中して向き合う注意のことで人間は内発的注意に優れています。資格勉強,大学受験,面倒な作業に対して集中して取り組むことができ,人間の特有の能力と言っても過言ではないほどです。しかし欠点もありずっと内発的注意を巡らすことはできず,脳の休憩が必要になります。つまり集中するためには内発的注意が大切になっていきます。
外発的注意(ボトムアップ注意)
2つ目は外発的注意(ボトムアップ注意)です。これは大きな音や明るい光など無意識に反応し,意識が向かう注意で特徴として自分でコントロールすることができず,勝手に起こるもので内発的注意と比べて疲れなどの影響を受けづらいです。
この2つは異なる脳の部位が活性化して起こっています。
自然による脳への影響
ここからは自然について解説していきます。自然は先ほどの2種類のうちの外発的注意に当てはまり,その中でもかなり優しい外発的注意になります。
自然の特徴である自己相似性(フラクタル)
自然は拡大しても形や構造に共通点があり,これを自己相似性といいます。代表なものとして雪の結晶があります。また木も山も海岸線も自己相似性を持っています。これは脳の処理において負担を少なくすることができると考えられています。実際にコンピューターでも都市の風景よりも自然の風景の方がデータの容量が小さくなる傾向があります。
またたくさんの自然の風景と都市の風景を見せてそれにまつわる記憶力のテストを行なった際,自然の方が圧倒的に覚えが悪かったという研究結果があります。都市の風景の際はここに車がある,ここに建物がある,ここにコンビニがあるなど頭が様々な情報をインプットしようとしますが自然の風景の場合は脳がしっかり覚えようと働かずその分負担も少ないのかもしれません,これは自然の中でずっと進化してきた人類にとっては当たり前のことかもしれませんね。
自然と集中力の関係
ある実験で自然と集中力の関係を調べた研究があります。自然と都市を歩いてその前後で脳のパフォーマンス能力を測るタスク(the backwards digits span task) を行った結果,パフォーマンス能力は都市を歩いた時と比べて20%も向上しました。この際,スマホなどは持っていかずに電子機器の使用も禁止しています。
後に極寒の状況下でも同じような実験が行われ,寒い中歩いて自然の中を歩くことが苦である状況下でも同じ結果が得られました。よって自然を楽しく歩けていたかどうかは関係ありません。
注意回復理論
注意回復理論では内発的注意は外発的注意によって回復することができるとされています。その代表的なものが自然なのです。そして回復することができる外発的注意の特徴として4つが挙げられています。
1.広がり
物理的や心理的な広がりを感じることができるほどの広さを持つ必要があります。これは自然に例えると人や状況によって異なり,大自然の森の中から,日本庭園でも十分な広がりを感じることができれば大丈夫です。
2.魅了
それに対して興味や魅力を感じることができるかどうかです。例えば大きな音や強い光は外発的注意で自分の注意がそっちに向いても意味がありません。
3.逃避
これは空間的な違いがあるかどうかです,例えば散歩することで作業や集中していた環境から身を離れリフレッシュすることができます。これを応用しヒューバーマン博士は集中する場所を地下室に作り,そこにいると勝手に集中するようにしています。博士曰く,地下室の3時間が地上での作業の3週間に当たるくらい集中力が変わるそうです。
4.適合
もうテストまで時間がなくて勉強しなきゃいけないのにこれをしていてもあまり効果は感じられません。集中したいけど集中できない時などに時間的余裕を持つことで効果を大きくすることができます。
自然によって集中力を上げる方法
自然によって集中力を上げる方法は先ほどの注意回復理論に従って自然と関わることです。最もおすすめなのは散歩です。散歩によって自然に触れることで脳の負担が減って回復していきます。
外に出られない時は自然の音を聴いたり自然の画像や動画を見ましょう。これでも効果があることは実験でわかっています。この時大切なのはやはり注意回復理論で特に場所を変えることが重要です。作業をする場所と自然と触れる場所を変えることで集中力を回復することができます。しかし散歩と比べると効果は小さくなってしまうのでできるだけ散歩に行くことをお勧めします。
ここで気付いた人もいるかもしれませんがマインドフルネス,瞑想も自然と共通点があります。そこで後編では瞑想との関わりやSNSの影響など広い視点から掘り深めていきたいと思います。
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